温泉地では。

温泉地に赴くにあたっての持参する本の選択はなかなか難しい。にもかかわらず、たいてい用意もせずに当日の朝を迎えがちな私は結局「そこいらの本」をリュックに突っ込んで出掛けることになる。反省。
というわけで、この週末近くの温泉地に出掛けるにあたって、既読でないことだけを確認して選んだ本は。ハサミ男 (講談社文庫) 殊能将之著。500ページあまりのミステリだが、普通。他に本の選択肢があったなら最後までよんだかどうだかわからないが、とりあえず温泉地の静かな夜の暇つぶしにはなった。
読者を欺く2重3重のトリックに面白さよりも面倒臭さを感じてしまって、よいミステリを読み終えたあとの「あああー騙されたー」という爽快感がない。
このミスの1位に選ばれた名高い葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)歌野晶午を思わせるが、歌野氏の方が中心線がはっきりしている分読みやすいかな?(しかし葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)は正直つまらない本だと思う。予想外の種明かしが終わったあとも主人公を好きになれない。これは好みの問題かな。)

これくらいまどろっこしく、様々な要素を盛り込むのならいっそのこと舞城王太郎ぐらいスピード感がないと。やっぱりスピードは大切。