ルワンダの涙

今日から公開のルワンダの涙。こういうのは思いついたときに観ておかないといつのまにやら終わっているので、ネットで席を買ってから行くことに。
なんだかいけ好かない街、六本木ヒルズでしかやっていないのでしぶしぶ六本木まで。
TOHOシネマはめちゃめちゃ混雑。こんなにルワンダ‥観る人が!?と思ったら、マリーアントワネットと上映開始時間が近かったと言うだけでした‥
それでも劇場入ってみると満席。流石に音響も椅子のすわり心地もいい映画館。

ホテル・ルワンダと同じ題材ながら、もっとオブラートに包まれていない大量虐殺。人間の残酷さ愚かさ無力さにはもうただ「どうして?」としか言いようが無い。スクリーンの前で成す術の無さに、私は前半から涙がざぁざぁ。泣くようなシーンでもないのにもう目から水が‥という感じ。こんなもので洗い流せたりもしないのだけれども。それにしてもこの大量虐殺が1994年というもう自分が充分物心ついた時期に起こっていたことに、驚きを感じる。まったくといいほど、こんなニュース覚えていない。だって80万人とか殺されているのに。しかもナタとかで。

だいたい大量破壊兵器が出来たせいで人は簡単に大量の人を殺せるようになってしまった‥自分で手を下すと言う感じではないから、飛び道具は人をもっと残酷にしたという説を私も鵜呑みにしていたけれども、ルワンダのこの内戦では一般市民が「ナタ」で隣人達を叩き殺している。実際に。普通の人が生身の人間同士なのに、普通に殺して回っている。これが戦争、これが人間の本性なのか。

舞台となる学校の牧師の宗教観に、やっぱりキリスト教に対して「馴染めない!」と感じる私は相容れない部分も大きいが宗教という指標でもなければ、この地球上に人間として生きていくときに自分を定義できないかもしれないと思う。それほどまでに人は弱い。

いろんなことを考えさせられる映画、救いの無い、英雄のいない残虐なシーンの多い映画だけれども、観てよかった。