ツ、イ、ラ、ク

ツ、イ、ラ、ク

ツ、イ、ラ、ク

ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

姫野カオルコは高校のときから読んでいる女性作家。この人の赤裸々さは、柳美里桐野夏生なんかの狡猾な感じがしないのが好きだ。性欲を正面から見据えている不器用さとそのまともじゃなさがそそる。そしてそのそそることをよく分かっている。なんて始末におえない!
でも、このひとの剥き出しには手段の臭いがしない。だから好感が持てるのだし共感してしまう。まあ、きっと自分にもこういう変態性が認められる気がするからというのが大きな理由かもしれないけれども。
それにしてもこのツ、イ、ラ、ク
集団の残酷。幼さの深刻。自分の中の歴然とした矛盾。恋の真実。ああ、切ない!
かなり厚い本だけれども一気読み!名作〜