約束の旅路@岩波ホール

エチオピアからモーセ作戦で聖地エルサレムへ連れてこられたユダヤ教ではない男の子の話。
淡々と冷静に描かれるその成長記は残酷で孤独な道を歩まなければならなかった主人公の姿をしっかりと見つめている。宗教対立民族対立そして人間同士がいがみ合うその理不尽と、愛の力。人間は一方でとても無力で愚かだ。その一方でまた、包み込んでいくような大きな愛の力も持っている。
私は一神教については否定的な考えを持ってはいるけれども、神についてまた考える機会にもなった。

今日に至るまでこんなに宗教が人々を血塗られた道へと駆り立てている現実は、数字におけるゼロのようなぶれの無い原理というものから「神」がぶれてしまっているのでは?という疑問を抱かせる。その計算はどこまで行っても正解をはじき出すことは出来ないのでは?まあ、浅い考えなんだろうけれど。不思議でならない。
宗教についてまたちょっと学んでみたいとも思う。