最近読んだ本たち

偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43)

偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43)

朝日新聞経団連会長に喧嘩を売っている本だけあって激しい論調だけれども、偽装請負というものの卑劣さとそれを利益を出している大看板を大々的に掲げている企業が行っていることの社会的責任はその批判を受けるに値する行為だろうと思う。
格差格差といってもなかなかその闇が実体として感じられないけれども、たまにはこういう本を読んで勉強しないと。

歴史学者が読み解くメルヘンという謳い文句に魅かれて手を出したこの本。「歴史の中の社会背景や民俗学的な観点からもメルヘンというものに切り込んでいく」というスタンスは素晴らしく、期待も高まったのだけれどもとりあげて個々に説明される8つの物語に対しての解釈は散漫で面白みに欠ける。確かにすべてを性的な暗示や心理学的ないかがわしい解釈で読み解くほかのメルヘン解釈本に比べて冷静な立場をとっているが、いろいろな観点を提示しすぎるせいで結局何が言いたいのか分からない。研究者の研究途中のメモを読まされている気分。
完成度の低い本でがっかり。

ジパング(3) (モーニング KC)

ジパング(3) (モーニング KC)

なかなか面白いけれども登場人物の顔が似ていて見分けがつきにくい。ましてや制服のある設定‥うーん‥しかしさすがにうまいので次を読みたくなるのがずるい。