ろうそくといえば、やっぱりこれ。

この名作と小学校の図書室で出会ったとき、ほんとうにびっくりした。なにより教訓めいた結論より人魚の娘が蝋燭に描く絵の艶かしさ、最後に蝋燭を真っ赤に塗るという視覚的な鮮烈。小川未明大好き。

ところで、漁師さんには未だに女性に対する禁忌が多いらしい。もちろん過疎化などの問題で最近では夫婦で漁に出ることも珍しくないようだが、昔は女性を漁船にのせることは忌まれた。特に「産の穢れ」には大変敏感で、お産は漁師にとっては忌みごとの意味合いが強い。やはり漁の神様が女性だからなのか‥。民俗学の本でも読んでみるか。
などと、波間に消えていく人魚の姿を思い描きつつキャンドルナイトのことを忘れて、深夜まで煌々と電気をつけて本を読んでしまう私。