雪舟は自己顕示欲の塊?

今日の講座のテーマは雪舟雪舟と言えば、水墨画の押しも押されぬ大巨匠。禅僧であり画家でもあり、聖人とのイメージも強い。
しかし…さまざまな文献、行動から読み解くと彼の世俗的な姿があらわれてくる。自画像にそのことは顕著。
僧侶ならではの型で描かれているその掛け軸の彼の頭には、帽子が。これは中国の僧にみられるもの。自分が中国で学んできた禅僧だということを強くあらわしている。
また、破墨山水図にある自叙にある、「この絵はちびた筆でちょこっと描きましたよ」というような文。ちゃんと気迫をこめて描いてあるのにこのポーズのつけっぷり。これを、京都へ、そして鎌倉へのアピールする手段として使ったその戦略。人間て面白い。

当時山口は文明の入り口。世界との窓だった。画家としての頂点は京都で成功することだった時代に、その山口から強烈な個性をアピールし続けた雪舟のその自己顕示欲に感服。流石、独創的な画で水墨画家として人気抜群なのも理解できる。その作風はとにかく明快。時代を下って主流となっていく路線を先取りしている。