北斎はまねっこだけどアートってそんなもの

北斎の富獄三十六景についての話を聴いてくる。
北斎のこのシリーズについては、その思いもよらない斬新で大胆な図案デザイン、鮮烈な青、飽きっぽい北斎にしては同じテーマを7年くらい貫いたテーマ性、と見所満載なのだけれど改めて眺めるとほんとすばらしい。
だけど、結構北斎はまねっこ、パクリ大好きで平気で人の絵なんかから構図やテーマを盗んでいる。
でもそのあっけらかんとした感じは、むしろ昔の日本人、庶民のおおらかさをあらわしているようにも思う。本歌取りみたいな感じで。
まあそうは言っても、パクられて居る鍬形kei斉はそうとう「あいつむかつく」的な発言を残しているみたいだけれど。

ライバルと言われた広重とも、それは争いはあっただろうけどよく考えてみると北斎と広重は二世代くらい違う。個性も世代も大きく違った二人がライバル関係だったということが、北斎の生涯現役っぷりをよくあらわしているのかも。いずれにしても相当変わった人だったのだろうな。しかも長生きの癖に無くなるときも「あと10年、いや5年生かしてくれたら真の絵師になれるのに〜」なんて言ったらしい。恐るべし北斎翁!その、自分の才能に対する欲望!天晴れ。