上村松園展に。

国立近代美術館で開催中の上村松園展へ。
土曜日の美術館は結構報道されている展覧会なこともあり混雑気味。

日本人はこういうところ、軽薄なのかフットワークが軽いのか、愛好家という人ばかりでなくふつうのひとも美術館に簡単に足を運ぶところがすごい気がする。

大規模展示で、若い頃から死の間際まで活動していた大作家の作品が満足いくボリュームで展示されている。
もちろん、大家になった晩年の作品の安定感と、シンプルながら丹念で精査された形と色彩には溜息だけれど、
やっぱりすこし迷いもあるような、初期の作品の魅力が瑞々しい。
傘の配置のデザインや、着物の描き方が魅力的だし、
お稽古に向かうときの独特の無心や、風に吹かれた時の心の散りようなどは本当に女性ならでは、なのでは。

花や、雪、蛍、風、月、こども、虹、なんて美しい日本の主題。
川端康成が日本の自然美の代表とした「雪月花」。
まさに、その王道の主題を寄りそうように表現しているこの作家は、日本画であること、に必然があるように思う。

いいものをみました。